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【住宅ローン減税7】築後年数要件戸建て編~木造・新耐震~
川口市を中心に活動する不動産コンサルタントの有限会社リプロです。 戸建編の続きです。今回は新耐震の木造住宅を購入する際の判断基準や手続きの進め方などをご説明いたします。
調査太郎「今回は具体的なフローを説明するけど、はじめに大切な注意点がある。」
チュースケ「書かれている通りにやればいいんですよね!」
調査太郎「違う! まず前提として、中古戸建ての手続きは個人レベルではどうにもならないから、対応できる仲介会社を選ぶこと。決して素人判断で何とかしようと考えてはいけない。続いて、税制の判断は税理士や税務署の役割なので、適用の可否、方法など詳細は必ず相談すること。最後に実際の手続きは、物件や取引の状況によって変動するので、このページの内容はあくまで参考程度で留めておくこと。」
チュースケ「わかりました。プロに頼った方がいいということですね。」
新耐震木造戸建ての場合
チュースケ「新耐震ということは、耐震改修工事が不要なんですね?」
調査太郎「いや、それは違う。造の場合、新耐震でも改修工事が必要と判断されるケースの方が多い。」
チュースケ「えっ?なんでなんですか?」
調査太郎「1981年に建築基準法が改正されたというのは前に説明したと思うけど、建築基準法は頻繁に改正されているんだ。耐震に関する規定は、大きな地震被害が起きる度に内容が見直されている。木造住宅については、阪神淡路大震災の教訓を受けて、2000年6月に基準が改正されている。だから、新耐震であっても2000年5月以前の建物は何らかの耐震改修工事が必要と判断されることが多いんだ。」
チュースケ「そうだったんですね。新耐震って聞くと何だか大丈夫なような印象でした。」
調査太郎「実際不動産の営業マンでも勘違いしている人が多いからね。注意が必要だよ。」
チュースケ「それでは、新耐震と旧耐震を区分したのは何か意味があるんですか?」
調査太郎「改修費用の金額の違いだね。耐震改修費用は家の広さと古さに比例してコストが高くなる。木造戸建ての場合、1981年の改正は壁の規定だから、新耐震と旧耐震ではびっくりするくらい性能差がある。つまり、新耐震は工事は必要だけど安く済む、旧耐震は改修費用が高い、という判断になる。そしてこの違いは耐震診断をいつ実施するかの違いに関係してくる。」
チュースケ「すいません。ちょっとついていけないです。。。」
調査太郎「耐震改修費用というのは、耐震診断を実施しないと算出できないんだ。そして耐震診断は有償のサービスだ。買うかどうかわからない家のために耐震診断費用を負担する人はそんなにいないだろう?実際に不動産売買契約を締結してから耐震診断をするケースが多い。でも旧耐震の場合は不動産売買契約を締結してからでは都合が悪いんだ。 旧耐震の理由については次回説明するよ。」
新耐震 木造戸建ての手続きの流れ
調査太郎「新耐震のポイントは耐震改修工事を前提とすることと、不動産売買契約後速やかに耐震診断を実施することの2点だ。」
チュースケ「対応が遅れると間に合わなくなるかもしれないですからね。」
<手続きの流れ>
1:買付申込前に、耐震診断が実施可能かどうか確認してもらう。
<確認のポイント>
・工法
・混構造でないかどうか
・スキップフロアでないかどうか
・現存する建物資料(設計図書など)の所在
・これまでのリフォーム履歴
・所有権移転前に耐震診断を実施することについて売主の承諾が得られそうか
・耐震改修費用を考慮した資金計画になっているか
2:買付申込時に 所有権移転前に耐震診断を実施することを条件として売主と交渉する。
3:不動産売買契約までに耐震診断を依頼する建築会社・リフォーム会社を選定しておく。
4:不動産売買契約書を締結したら速やかに耐震診断を実施する。
※ローンの承認後を勧めてくる仲介会社が多いと思いますが、ローンの承認を待ちたい場合は、その分所有権移転時期を余裕をもって伸ばしておくなどの対策が必要です。
5:耐震改修が必要と判定されたら改修設計をお願いして、耐震改修費用を提示してもらう。
※診断結果報告時に 耐震改修費用を提示してもらえることが多いです。
※2×4工法など、耐震改修が不要と判定された場合は、速やかに耐震基準適合証明書を発行してもらいます。
6:耐震改修工事が必要な場合は、耐震基準適合証明書の仮申請を行います。
※ 仲介会社が所有権移転前に住民票を移すように指示してきても、耐震改修工事を行う場合は、住民票と移してはいけません。
7:所有権移転を行います。
8:所有権移転後、速やかに耐震改修工事を実施します。
9:耐震改修工事が完了したら、耐震基準適合証明書を発行してもらいます。
調査太郎「細かな注意点を挙げると、同じ木造でも2×4工法や、構造計算書が残されている3階建ては、耐震改修工事が不要と判定される可能性があるので、不動産売買契約締結後速やかに耐震診断を実施することが大切。」
チュースケ「仮申請をする上で耐震診断が必要なんですよね?」
調査太郎「正確に言うと、所有権移転後の方法において、耐震診断の実施時期は規定されていない。つまり、耐震診断を所有権移転後に行っても良い。」
チュースケ「じゃあ、仮申請だけやっておいて、後のことは所有権移転後にした方がいいんじゃないですか?」
調査太郎「木造住宅は耐震診断の結果、改修工事が必要と判定される可能性が高いが、絶対ではないんだ。所有権移転後に耐震基準適合証明書を発行する場合は、耐震改修工事を実施することが要件となるので、所有権移転後の耐震診断で、改修不要と判定されたら、住宅ローン減税が使えなくなってしまう。」
チュースケ「それは困ります!」
調査太郎「だから工事が必要かどうかの判断は早いに越したことはない、ということになるね。どうしても売主の承諾が得られない場合を除いて、なるべく売買契約後にすぐ耐震診断した方が良いよ。」
→続く
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